大学業界の「課題」と「これから」〜私立大学フォーラム2018より〜

大学職員の面接でも良く聞かれる質問の一つ「大学業界ネタ

正直、面接対策で一番手が回らないテーマだと思います。

また、どこまで何を調べておくべきか、答えがないので厄介です。

ぼくも実際、業界ネタの準備は時間がなく正直あまり準備できていませんでした…

業界ネタについては、こちらの記事でも書かせていただきましたが、「大学時報」という日本私立大学連盟発行の情報誌(ネットで無料で閲覧可能)がかなり参考になります。

これを何となく見ておくだけでも、相当な業界研究になるかと思います。

今日は、そんな大学時報でも取り上げられておりますが、「私立大学フォーラム2018」からみた「大学の課題」と「これから」についてサクッと読める内容にまとめてみました。

この私立大学フォーラムは、日本私立大学連盟という私大の業界団体のようなところが毎年開催しているフォーラムです。

会長は早稲田大学総長で、会員110法人124の私立大学が加盟しています。

大学関係者も多数出席しておりますが、大学職員として知っておくべき業界ネタとそれに対する学長などの発言はとても参考になりますよ!

詳しく見てみたい方はこちらから!

 

 

アカデミアと産業界の「連携」のあり方が問われている


岡本毅 氏(東京ガス株式会社相談役)の講演

<人文社会科学系の専門分野強化の重要性>

特に人文社会科学系の専門分野の強化が必要と考える。
Society5.0やAIといった、来るべきデ ジタル社会への対応に関する議論は理工系に偏っているように感じられる。
歴史上、新技術が導入されるときは、 必ず新たな社会問題が生じており、こうした課題を解決するのは、哲学や倫理を含む幅広い教養や物事を深く考える能力である。
大学には、文理の枠を超えた教育を可能にする柔軟な組織やカリキュラムが求められる。
私立大学の学生の約半数が人文社会科学系の学部に属しており、その意味において私立大学が担う役割は大変大きいと考えている。


⭐️ポイント

「産学官連携」は社会人が志望動機などでテーマにもっていきやすい内容ですが、「連携には何が必要なのか」「課題は」など面接ではかなり突っ込んだ質問が多いです。

ぼくも業務で関わっていますが、特に最近は本当にAI関連の産学官連携が増えているのですが、「文理融合」の考え方は必須です。

例えば、工学系の理系研究者だけでは、AIの知的財産や倫理問題は解決できません。人文系の研究者の参画も必須になっています。

 

<経団連が提言する三つの改革>

経団連が2018年6月に公表した『今後のわが国の大学改革のあり方に関する提言』では、限られた人的物的資源を有効活用する観点から、「大学教育の質の向上」「教育研究力を高めるための大学の連携再編統合の推進」「財務基盤経営改革の推進」の3点について改革を求めている。

 

⭐️ポイント

経団連からこんな要請があったとは知りませんでした…

いくつかの大学で「大学の改革に必要なことは何だと思いますか?」という質問を受けたので、こうした知識があれば自分の考えをプラスしてうまく答えられそうです。

 

 

私立大学のこれからの人材育成とは?


田中優子氏(法政大学総長)の講演

<私立大学が果たすべき役割>

大学教育としてあるべき姿を提言で示した。
大学が育成すべき能力として「主体的で洞察力に 富んだ思考力」「能力の柔軟性」「変化に対応する能力」「独自性を表現する能力」を挙げた。
私立大学は、各大学の独自性をより先鋭化させていく必要がある
国も、大学の独自性を生かす方向でサポートしていただきたい。
18歳人口の減少に伴い大学減や規模縮小ではなく、幅広い年齢層が学び続ける社会の実現に向けて、私立大学は重要な役割を果たすべきである。
そのためには、それぞれの私立大学が持つ特色を組み合わせて連携することにより、多様な展開が可能になると考える。

⭐️ポイント

大学が育成すべき能力を総長自らあげておられます。

これは私立大学連盟としての提言でまとめられたものですが、大学が「このような人を育成していきます」という方針を示しているので、つまり大学にも「このような能力を持った人材」がいないと育成できませんよね。

直接的につながるものではないですが、大学職員に求められる能力にも近い気がします。

こうした「大学が求める人材・育成すべき人材」のような項目はぜひ参考にしたいところです。

 

 

いかがでしたでしょうか。

業界ネタの情報収集は、空き時間にサクッと進めましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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