名古屋大学と岐阜大学の統合。大学職員は本当に安定なのか?

[更新:2018.12.31]

先日報道でも大きく報じられた「名古屋大学」と「岐阜大学」の経営統合の話。

国立大学同士の合併ですが、新たに「東海国立大学機構」をつくり、両大学は機構の傘下(グループ大学)として2020年の運営を目指していくとのことです。

そもそも大学統合は珍しいことではなく、過去に大阪大学と大阪外国語大学など「国立大学の法人化」時代など、大規模大学でも実際に統合の動きもありました。

今回の名古屋大と岐阜大の統合は、愛知県と岐阜県という県をまたぐ法人同士の統合という全国初の事例という事もあり、大きく報道されました。

さらにそれぞれ別法人として機構傘下で運営していくためには、国が国立大学法人法を改正し、「ひとつの法人でも複数の大学を運営することができる」ようにルール改正する必要がありますが、文科省もそのつもりで動いているとのこと。

この記事では、大学の経営統合とは何なのか、どんなメリットやデメリットがあるのか、一番ぼくたち大学職員は気になりますが「大学職員の処遇」はどうなるのか、などについてわかりやすく書いていきたいと思います。

 

大学経営手法の「アンブレラ方式」とは


国の教育のあり方を決める「中央教育審議会」が、「主な大学入学年齢である18歳人口は、2018年の118万人から長期的な減少期に入り、40年には88万人になる」と推計しているように今後ますます大学の淘汰は激しくなっていくことが予想されます。

そのため、特に人口減少が顕著な地方においては、「大学の経営基盤を強化しよう!」という動きがあり、それが「経営統合」です。

国立大学法人がいくつかの大学を傘下に持つ「アンブレラ方式」が議論されているのも、こうした動きによるものです。(イメージは持株会社、ホールディングスですね)

さらに、国では「大学等連携推進法人(仮)」の創設も検討されているのをご存知でしょうか。

これは、今回のような国立大学での統合にとどまらず、国・公・私立大学がその枠を超えて地域連携の法人を形成するものです。

単位互換などの従来の枠組みに加えて、共通の教養課程を設定したり、学生や研究者の人材交流など幅が広がりそうな議論となっているので注目されています。

 

経営統合のメリット・デメリットは


【メリット】

・事務組織(特に管理部門)の効率化
・予算執行の効率化
・教育環境や地域連携などの促進、活性化
・人材の活用
などでしょうか。

【デメリット】

・大学の独自性が奪われる経営方針もなくはない
・機動的な経営や意思決定が困難に
・傘下の他大学と比較される

 

大学職員の処遇はどうなるの?


我々大学職員にとっては、雇用が継続されるのかが最も重要でしょう。

過去に法人合併した例によりますと、ぼくの知人が大阪外国語大学(大阪大学に合併)出身であり、その際にお世話になった大学職員さんはそのまま阪大の身分となった(つまり合併でも身分継続)とのこと。

ホームページには、『本学(大阪外国語大学)の職員の殆どが承継法人である大阪大学の職員となった』と記載されており、希望退職以外はそのまま継続して合併後も雇用継続したようです。

役職員給与についての資料も見つけました。

大阪外国語大学の役職員給与の算定について『承継法人である大阪大学の役職員の給与水準において記載』とあり、給与は基本的には合併後の法人に依存して決められるようです。

また、関西の有名私立大学「関西学院大学」と「聖和大学」の合併もありました。

こちらは、両校ともにキリスト教教育を掲げる法人で合併が行われた訳ですが、その合併にあたっての「合併契約」を見てみると、

「学校法人関西学院は、聖和大学の大学教員を、関西学院大学が新たに構想する教育学部及び新設学部等へ継続して雇用する。」

「聖和大学の専任職員は学校法人関西学院が継続して雇用する。」

とあり、こちらも基本的に雇用継続となっています。

給与についても定められています。

「大学教員及び職員の給与(諸手当及び賞与を含む)は、法人合併後4年間、学校法人聖和大学において2009年3月末日に受けていた年収総額を保証する。法人合併から4年経過後、学校法人関西学院の給与規程による給与との格差が存在する場合は、一定期間(4年間)を経て是正をはかる。」

とあり、4年間の現給保証も行なっています。ただし、5年目からは関西学院大学の給与水準になりますよと決められてます。(申し分ないと思いますが笑)

これらの例を見ていると、合併があったからといって大学職員としての職がすぐさま脅かされるという可能性は少なそうですね。

ただ、今回の名古屋大学と岐阜大学の経営統合も、国立大学同士の合併であり、両キャンパスは維持されるため、統合=解雇という結論にはすぐに結びつかないでしょうが、経営効率化の最大のメリットが人件費削減とも言われます。

これから転職先に大学職員を選ばれる方は、こうした事態もしっかり想定しながら大学を選ぶことが重要です

良い大学の選び方はこちらの記事を参考にしてみてください。

決して、大学職員が危ない!と言っている訳ではありませんが、大学選びはますます重要になってきそうです

そうした観点からも、自分一人で判断せず、転職エージェントを活用しプロと一緒に転職を進めましょう!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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