こんばんは。
30歳で私大職員に転職したkenseeです。
「大学職員ってどんな仕事してるのかわからない」
大学職員に転職を考えている方に、少しでも大学職員の仕事をイメージしてもらいたいと
思いながら、この記事を書きました。
大学職員の仕事については、以前の記事でも触れましたが、様々な仕事や内容があります。
⭐️大学職員のIR
⭐️産学連携
⭐️書類添削
やはりイメージしやすいのは、学生・教員の窓口や、キャリア支援などでしょうか。
でもここで注意していただきたいのが、
「何となく皆がイメージしやすい業務は他の受験者もイメージしている」ことです。
面接官からすれば、受験者から「やりたい業務」や「大学職員の仕事」を聞きますが、
皆が全員同じような仕事を挙げてしまうと、「またこの人も同じか…」と自分ではしっかり考えたつもりでも、マイナスに思われてしまいかねません。
もちろん、学生窓口やキャリア支援なども大切な仕事ですが、
せっかくであれば、面接官に「おっ、調べてきてるな」と思わせたいですよね。
そこで、ぼく自身の経験や、先輩職員が担当している
「大学職員の仕事の中でも特徴的な仕事」を選んでご紹介しています。
すべての大学に同じような仕事がある訳ではないと思いますが、
「こんな仕事もあるのか!」と大学職員の仕事にも興味を持っていただければ嬉しいです!
大学職員がベンチャー起業支援?!
近年と言わず、2000年に入った頃から「大学発ベンチャー企業」が多く設立されてきました。
経産省のデータによると、2017年時点で大学発ベンチャー企業は2093社もあります。
意外に多いですよね。
最も大学発ベンチャーが設立されているのが、東大で245社あります。
私立大学では早稲田が一番多く、74社あります。
大学発ベンチャー企業と一言でいっても種類は3つあります。
(1)教員が自身の技術をベースに起業する
(2)学生が大学(指導教員)と連携しながら起業する
(3)共同研究などで大学の技術を移転して起業する(企業主導)
それぞれで主体性は異なるものの、大学自身も深く関わって起業サポートをしていきます。
それはなぜか。
「起業することで生み出される利益やライセンス料は大学の貴重な自主財源になる」
からです。
大学の特許や技術を使って、ベンチャー企業がどんどん稼いでくれると、
大学にも収入の一部が入る仕組みになっており、大学は起業をどんどん応援しています。
ぼくの部署では、前回ご紹介した「企業とのお見合い」の仕事もやっていますが、
教員や学生から、「ベンチャー企業を作りたい」といった相談・サポートも受けています。
今は、資本金1円で誰でも起業できる時代となりました。
いいもの・いい技術はどんどん世に広めていこうという雰囲気が大学業界でも広がってきました。
具体的なサポートは?大学職員は何をするのか?
ぼくたち大学職員が行う業務は、あくまで「起業に向けた書類のチェック」や特許や契約関係の「法的な内容チェック」のサポートを行います。
起業する際は、法務局などへの申請書類を揃えて提出することが必要ですが、
研究者である教員が自ら全てそれらを進めるのは不可能なので(ほんとは経営者だったら自分でして欲しいですが…)、大学職員はそのサポートを行っています。
特に重要なのが、特許や契約関係の「法的な確認」です。
この分野に明るい専門の弁護士や税理士などへ相談し、問題がないかをチェックしてもらいます。
大学によっては、弁護士資格を持っている人が非常勤職員などで勤務しているところもあります。(本学も来て頂いています)
学生がベンチャー起業をする場合も、同じように丁寧にサポートしています。
また、近年は、経営学の教員が中心となり「起業支援プログラム」のような起業する学生や社会人向けの講座を開講している大学も多いです。
こうしたプログラムの調整や、カリキュラム作成などを担当の教員を行うのも、大学職員の仕事です。
アメリカではベンチャー起業が当たり前
ここで、アメリカのことを紹介しておきたいと思います。
実は、アメリカはご存知の通り日本とは比べものにならないくらいベンチャー企業が多いです。
彼らは、ベンチャー起業での「失敗」を「次へのチャレンジ」とくらいにしか思っていません。
日本では「失敗したらどうしよう」という雰囲気がまだまだあります。
アメリカでは、一番成績の良い学生はベンチャー企業をつくります。
一番出来の悪い学生は企業に就職します。
日本と真逆ですよね。
大学発/学生発ベンチャーの支援をしている大学職員としては、
どんどんベンチャーが設立される風土が日本全体で浸透し、
大学でも当たり前に起業できる体制づくりがもっと進めば良いと思っています。
ぼくたちもまだまだ起業へのサポートが十分できていません。
しっかり勉強しながら、少しでも力になっていきたいと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました!